
駅に近いだけでは説明しきれない
駅近物件の価値は、リモート勤務の広がりで少し複雑になった。
毎日会社へ通う暮らしなら、駅までの近さは通勤時間の短縮に直結する。
いまは週の一部を自宅で働き、必要な日に出社し、外出先でオンライン会議を入れる人もいる。
駅近は便利だが、便利さの中身が変わってきた。
SUUMO、LIFULL HOME'S、at homeで住まいを探すときも、駅徒歩だけで決める人ばかりではない。
部屋の広さ、机を置ける壁面、オンライン会議の背景、収納、近くのカフェやシェアオフィス。
こうした条件が、駅距離と一緒に比べられるようになっている。
日中に家で過ごす時間が長くなれば、室内の疲れにくさも条件になる。
朝の移動だけでなく、昼食を買いに出る、荷物を受け取る、夕方に少し歩く、必要なときだけ出社する。
駅近物件は、通勤の拠点から生活時間全体の拠点へと見られ方が広がっている。
駅徒歩と間取りを重ねて見る
ポータル検索では、駅徒歩、沿線、間取り、専有面積、築年数などを組み合わせて物件を絞り込む。
リモート勤務を前提にすると、ワンルームでも机を置く位置があるかどうかが気になる。
ベッドとデスクが近すぎる間取りは、休む場所と働く場所の切り替えが難しく映ることがある。
オンライン会議が多い人なら、背景に生活感が映りにくいか、収納で物を隠せるかも見る。
窓際に机を置けるか、照明は暗くないか、椅子を引いても動けるか。
小さな点に見えても、毎日の仕事では積み重なる。
駅徒歩の表示が魅力的でも、部屋の中で働く場所がなければ、リモート勤務層への訴求は弱くなる。
一方で、広さだけを求めると駅から離れやすい。
そこで効いてくるのが駅前機能だ。
東京メトロや東急線の駅周辺、JR東日本の駅ナカには、コンビニ、ドラッグストア、ベーカリー、クリーニング、カフェが集まる場所がある。
短い休憩で買い物を済ませ、夕方に出社や外出へ切り替える生活では、駅近の利点は残る。
自宅の外に働ける場所があるか
リモート勤務といっても、自宅だけで完結するとは限らない。
家族と同居している人、生活音が気になる人、急なオンライン会議が入る人にとって、近所に使える場所があることは重要だ。
駅構内や駅近くにあるSTATION BOOTHのような個室型ワークスペース、シェアオフィス、電源席のあるカフェは、住まいの延長として機能する。
投資家が駅近物件を見るなら、最寄り駅の改札までの距離だけでなく、駅前を歩いて確認したい。
ワークスペースはあるか。
カフェは作業しやすい雰囲気か。
スーパー、郵便局、銀行ATMは使いやすい場所にあるか。
昼間の人通り、夜の明るさ、雨の日に濡れにくい動線も、室内写真からは分からない。
駅近物件とリモート勤務の関係は、単純な勝ち負けではない。
小さな部屋でも駅前機能が強ければ合う人はいる。
少し駅から離れても、作業部屋を確保したい人もいる。
次に物件を見るときは、駅徒歩の表示と同じくらい、机を置く場所と駅前で働ける場所を確認したい。
本記事は一般的な情報整理であり、投資成果を保証するものではない。






























