
男性向け売場は、朝の支度に近づいている
ロフト、無印良品、マツキヨココカラ、ウエルシアで、メンズ美容コーナーを見つけやすくなった。
以前の男性向け売場といえば、シェービングフォームや整髪料の印象が強かった。
いまはそこに、洗顔料、化粧水、乳液、日焼け止め、BBクリーム、眉まわりの道具まで並ぶ。
黒やグレーのパッケージだけでなく、白いボトルや男女を強く分けないデザインの商品も増えている。
広がっているのは、特別な美容というより朝の身だしなみだ。
出社前、オンライン会議の前、営業先へ向かう前、休日に人と会う前。
髪を整え、服を選ぶのと同じ流れで、肌の乾燥感や顔色、日差しへの備えを気にする人がいる。
資生堂のuno、花王のメンズビオレ、バルクオム、無印良品のスキンケア用品は、初めての人でも手に取りやすい入口になっている。
選ばれやすいのは、手順を増やしすぎない商品
男性向けスキンケアで目立つのは、時短につながる商品だ。
洗顔後に一本で済ませやすいオールインワン、べたつきに配慮した乳液、外出前に使う日焼け止め、青ひげや肌の赤みを自然に見せるBBクリーム。
朝の洗面台で長い工程を増やすのではなく、歯磨きやヘアセットの横に一つ置けるかどうかが大事になる。
ロフトの大型店では、コスメ売場の一角にメンズ向けの棚がまとまり、テスターやPOPで質感を確かめやすい。
無印良品は、男女別を強く打ち出さない棚の中で、化粧水や乳液を自然に手に取りやすい。
マツキヨココカラやウエルシアでは、シェービング用品の近くに保湿や日焼け止めが置かれ、日用品を買うついでに試しやすい。
若い世代だけの話ではない
メンズ美容という言葉だけを見ると、若年層の流行に見えるかもしれない。
実際の需要はもう少し幅がある。
マスクを外す場面が増え、口元や肌の乾燥が気になった人。
オンライン会議の画面で顔色が暗く見えると感じた人。
外回りで日差しを受けるため、日焼け止めを日用品として考え始めた人。
こうした実用的な理由が、売場の広がりを支えている。
一方で、初めて買う人には分かりにくさも残る。
化粧水と乳液は何が違うのか。
日焼け止めはいつ使うのか。
BBクリームの色はどう選ぶのか。
女性向け売場では当たり前のように語られてきた情報も、慣れていない人にとってはハードルになる。
店頭POP、ブランドサイトの説明、短い動画コンテンツは、その不安を下げる役割を持つ。
まずは、続けられるものから
朝の身だしなみとして始めるなら、洗顔、保湿、日焼け止めから考えると入りやすい。
必要に応じて、眉カット、リップクリーム、BBクリームを加えればよい。
最初から全部そろえるより、続けられるものだけを選ぶほうが習慣になりやすい。
メンズ美容コーナーの拡大は、男性が急に美容好きになったという単純な話ではない。
朝の短い時間で、人と会う場面に向けて印象を整えたい。
そんな需要が、売場にはっきり出てきたということだ。
次に問われるのは、ロフトやドラッグストアの棚が、初心者にも分かる言葉で提案できるかどうか。
肌に合わない場合は使用を控え、必要に応じて専門家に相談したい。












